中古住宅は実際あと何年住める?

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広島市で中古戸建住宅×リノベーションを提供してる「おりいえ」です。

中古戸建を検討したいけどあと何年住めるか不安!という方は多いですよね。僕もよく質問をされます。

ネット上でも様々な論文やデーターが公表されています。ただし、これらは専門的であり難解です。少しでも分かりやすくこれらデータ等を紐解きながら中古住宅は実際あと何年住めるか?について解説させていただきます。

木造住宅寿命の嘘について!

日本の住宅は短命だといわれます!理由は、木造が多いからだとか、地震が多いだとか、湿気が多いからだとか、そんな理由をよく聞きます。

木造住宅の寿命については具体的な数字も示されています。

①22年説
②26年説
③30年説

先ずはこちらについて解説していきましょう。

木造住宅の寿命22年説

こちらは、木造住宅の法定耐用年数22年からきているものです。法定耐用年数とは、税務会計上不動産の価値を評価するために(主に減価償却の計算い使わます。)国が指定した建物の耐用年数のことです。建物の寿命とは関係ありません。

実際、中古住宅の販売現場では法定耐用年数が22年だから価値がない!とも言われます。確かに会計上原価償却が必要な方もいるわけです。そのような方にとって築22年を過ぎた木造住宅の価値はないといえるのかもしれません。

木造住宅の寿命26年説

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上の画像は平成8年建設白書下記部分を抜粋したものです。こちら


平成8年 建築白書
第2章 経済・社会状況の変化と住生活のインパクト
第2節 住生活の充実に向けて
(住替えが少ない理由に)


以下抜粋


日本の住宅の寿命は建築時期別のストック統計から試算してみると過去5年間に除去されたものの平均で約26年現在住宅の平均年齢は約16年とされるが…以下省略


他では赤枠のなかに記載されているけれど、よくつかわれている、日本の住宅の寿命26年 アメリカ44年 イギリス75年といわれるのはこの建築白書のこの部分のことです。


これって、現存している建物はカウントされてないわけです。欠陥住宅やとても住めない住宅、管理や手入れがされていない住宅なら新しくても壊します。そんな壊された住宅の平均が26年ということです。それも1981年の26年前は1955年です。昭和35年です!。壊したくもなる家が多かったはずです。


これが住宅寿命26年の正体です。(きっと)


木造住宅の寿命30年説

住宅寿命30年といわれるのは、後にご紹介する国交省なども色々な機会に採用している早稲田大学  小松幸夫教授のこちらの資料から引用させていただきます。記事元: 住宅寿命について(「住宅問題研究」vol.16 No.2 2000年6月所載)


3.1サイクル年数より


サイクル年数という言葉はあるかどうかわからないのですが、とりあえず仮に付けたもので、単純に言うとストックの数を新築の数で割ったものです。例えば、1000万のストックがあったとして、毎年10万ずつ更新されるとすれば、100年で更新されるということになりますので、それが寿命に近いのではないかとして算出するものです。このデーターはちょっと古いものですけれども、日本は30年、米国は103年、英国にいたっては141年となっております。


これが住宅寿命30年説の正体です。(きっと)


住宅寿命がこんな短いわけがない

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広島市では昭和40年50年にかけて多くの住宅団地が造成されました。築30年説を信じればそこに建っている家はすべて寿命ということです。壊されるべき建物ばかりということになります。現役で住み続けている先輩方の家は壊すべき建物なのでしょうか?

「おりいえ」では、そんなことはないと信じ。健全な建物は残し中古戸建住宅×リノベーションを提供しています。その活動を通して築後30年程度が寿命のはずがないことを知っています。


本当の住宅寿命は?

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上の画像は国土交通省の資料です。
小松先生の論文を見つけることはできませんでしたが、前述した資料よりも新しいモノのようです。

小松教授が2011年10月~11月に実施した最新の研究成果によれば、木造家屋について、専用住宅の平均寿命は65.03年

以下注意書き抜粋 

この平均寿命の算定には、経済的な要因等物理的に使用可能であっても取り壊された家屋が滅失データとして含まれる一方、使用可能な状態であっても空家のまま取り壊されていない家屋は残像している住宅として計上されている。

「おりいえ」的理解は、とはいえ、人間の兵器寿命と近い考え方です。それに、現存する建物の質は上がってきています。目安としてならこれでいいんじゃないかと考えます。


人も家も健康維持のためにはメンテが重要です!

暴飲暴食にストレスだらけの生活をしてては健康体の身体も耐えられません。

家も同じです。家を長持ちさせれるためには定期的にメンテナンスをしてあげる必要があります。雨もりを放置していれば構造材は腐ります。シロアリ被害にも対応しなければなりません。地震対策も重要です。

いかに高価な資材を投じても適切なメンテをしなければ長く快適に住めません。

読み込むことができた前述の資料では以下のように述べています。

結局、「木」だから長くもつ、「鉄」だからという根拠を疑うべきだ!それよりも、住宅ではやっぱり時代に合わない狭くて居心地の悪い建物は壊されるよね!的な仮説が続きます。

家を長く持たすには、寿命が何年かを気にするより、愛着の持てる家に住むこと!自分がこの家に暮らしたいと思えるかということが重要なのではないでしょうか?

家の寿命は

①住む人次第!

②家の状況次第!

結論 長く快適に住むためには、家のコンディションをしっかり確認し住みたい家にする。そのためにはリノベ費用はいくら必要なのか!資金計画とあわせしっかりと確認することです!



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