本当にそれでいいの? - 家のデザインにおける室内外の繋がりの見落とし

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広島市で中古住宅リノベーションを手掛ける「おりいえ」です。


生活空間が僕たちの人生に与える影響は計り知れません。実際、僕たちの周囲の環境は日々の感情、行動、さらには健康にまで大きな影響を及ぼすと言われています。


その重要な要素として、室内と外部環境を自然につなげるデザインが挙げられます。このことが空間の広がりを感じさせ、生活に深みを与え、居心地の良さを増すからです。


しかし、多くの住宅では、この重要であるはずの空間デザインが無視されています。


では、なぜこのような設計が過小評価されているのでしょうか? このブログでは、室内と外部空間の繋がりが失われた背景を探りながら、僕たちの居心地と空間認識に対する影響を深堀りしていきます。


コストとデザインのジレンマ 室内外の見落とした価値

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室内と外をつなぐデザインのためには作庭が必要であり、つなぎのためのデザインが必要です。もちろんコストアップします。そのため、経済合理性が優先される分譲住宅ではこのコスト高は営業的な損失と考えられるのか?室内と外がつながる物件を見かけることは殆どありません。

注文住宅も、多くの場合営業マンとの設計打ち合わせです。ましてや、エクステリア計画は最後の最後の段階に行うことが多く、建築士が介在しないままの家づくりが進みます。この場合、室内と外の重要性に気づかないまま設計が進むことが多いのが現実です。

良質な住宅デザインは屋外の自然を取り入れるライフスタイルが鍵

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美しい景色に包まれたカフェでのひとときはかけがえのない穏やかな時間です。僕たちは無意識のうちに、日々の生活の中でカフェのような自然と心が和む空間を求めています。そんな場所は、通常、陽が優しく差し込む部屋や、美しい眺望を望むことができる窓辺、心地よい風が通り抜けるお部屋、緑に囲まれた庭など、内部と外部が自然に繋がっている空間です。

 

このような室内と外の境界をあいまいにするデザインを採り入れることで、家の中にいながらも外の自然を身近に感じられる居心地の良い環境を実現できます。このようなデザインの家であれば、感情を育み豊かな暮らしが実現できる家となります。

限られた空間だかこそ外せない室内外のデザイン力

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狭い土地でも内と外をつなげるデザインは実現可能です。例えば
スキップフロアにより、、視線の動きが生まれ、外の景色を家のさまざまなポイントから楽しむことができます。同時に、自然光を内部のより多くのエリアに入れこめます。スリット階段や吹き抜けなども有効です。
壁の一部を大きな窓にすることで、部屋と外の環境が一体化します。狭い土地でも視覚的な広がりが得られ、開放的な気分を味わえます。
中庭を設けることで、自然光と通風を内部に取り入れることができます。また、L型の間取りにすることで外部との視線を切ることも有効です。プライバシーを保つことにも有効です。
狭小地であれば二階にバルコニーを設け二階からの眺望を楽しむことも考えましょう。お庭をかねてバルコニーを設けることで、内部からの視界を広げ、外部への広がりができます。
小さな敷地でも樹々を植えれば外部からの視線は遮れます。樹々から反射する光、風に揺れる樹々を内より眺めるのも素敵時間です。

【南大河の事例】緑豊かなリビングでリノベーションの魅力を再発見

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広島市の地価は高く、そんなに大きな敷地に家は建たないという声もあります。しかし、狭い土地でも庭でも室内と外をつなげるデザインは実現可能です。

僕たちのモデルハスは基本的に広い敷地の物件が多いため実例は少ないのですが、現在公開中の南大河モデルハウスのお庭を事例としてご紹介します。

このモデルハウスは、南側敷地が高く決して恵まれたロケーションとは言えないのかもしれません。しかし、作庭により優しい光が射しこみ、樹々の揺れが心地よい時間をもたらしてくれます。また、隣家からの視線も樹々が遮ってくれることで、リビング空間はカーテンいらずの素敵な空間になりました。(モデルハウス公開中です。是非、ご見学ください)

デザインのもつポテンシャルを高めましょう!

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室内と外をつなぐという暮らしにとって重要な空間を、なぜ多くの分譲住宅や注文住宅に採用しないのでしょうか。その理由は①消費者がこの空間の良さを理解していないから。②採用しない方が安価だから。③デザイン力がないから。(あくまでも僕の所見)

この記事が少しでも気になるかたは、いったん立ち止まり良質な住宅を見学する時間を取りましょう。見学は、良質な住宅団地に行けば実例でいっぱいです。室内と外をつないだ暮らしが実現できている家の多くは美しい家であり、暮らしを楽しんでいる様子が見えてきます。

室内外一体の住宅デザインを大切に!

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僕たちの生活空間は僕たちの意識の範囲でしかありません。立地と価格が優先された検索からはこのような家は絶対に検索されません。何度も言いますが、注文住宅でも、多くは、営業との設計打ち合わせです。

想いを引き出してくれる、又は、共有できるレベルの営業がどれだけいるでしょう?デザインのプロとは営業ではありません。設計士であることをお忘れなく。


最後に、このブログを通じて、室内と外部空間の統合の重要性について深堀しました。このステップは、居心地の良い生活空間のために不可欠だと信じています。是非、あなたの日常に、このブログで示したデザイン思考を取り入れてください。


さらに情報が必要であれば、「おりいえ」の他のブログ記事で知識を深めてください。具体的なサポートが必要な方はお気軽にお問合せ下さい!



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