「平地に家を建てたい」——広島市でその夢を追う前に、知っておきたい現実の話

広島市は、118万人が住む都市です。
市街地と自然、車と公共交通がほどよく共存していて、ちょうどいいバランス感のある街だと思います。
でも、家を探している人からはよくこんな声を聞きます。
「できれば平地がいいですよね」 「やっぱり駅近の土地で…」 「マンションじゃなくて戸建てで育てたい」
とてもよく分かります。 でも、元ハウスメーカー支店長として広島の土地を見てきた立場から言うと、
「その希望、実はかなりハードル高いですよ」ということを、まずお伝えしておきたいのです。
広島市では平地信仰が叶いにくい理由

広島は平野が少なく、住宅地の多くは山を切り開いて造成されたエリアです。
一方、駅や商業施設、公共機関は限られた平地に集中しています。
つまり「平地」は、そもそも少ない。 そして、みんながそこに住みたがる。 結果、土地の価格がとても高いんです。
だから、新築で平地に家を建てようとすると
☑土地代に予算の大半を取られる
☑小さな敷地に無理やり3階建て
☑隣家との距離も近く、風通しや採光に課題が残る
=「便利な立地=暮らしやすい」とは限らない。 それが広島のリアルな土地事情です。
「じゃあ中古+リノベで平地に住もう!」という人へ
最近は「中古住宅を買ってリノベーションしたい」という方も増えてきました。
それも平地でできれば理想的、という声も多いのですが… ここにも思わぬ落とし穴があります。
平地の土地価格は、新築向けでも、中古住宅でも変わりません。
むしろ中古だと、敷地は広いし、 建物は古いのに 解体や補修にコストがかかるのに 土地価格が高いから、総額がぜんぜん安くなりません。
つまり、 「中古だからお得に平地」→ 実はそうでもない。 これ現実です。
本当に大事なのは、「土地」より「暮らしの優先順位」

じゃあどうすればいいの?という話になりますね。 答えは一つではないからまた悩む。
そんななか僕がいつもお伝えしているのは、
「何を一番大事にしたいのか?」を自分で整理することが先ということです。
・駅近・利便性をとる → 小さくてもいい、密集していてもOK?
・光・風・広さをとる → 郊外でのびのび暮らすという選択肢はどう?
・その中間を探る → 少し視点をずらすだけで“ちょうどいい土地”が見つかることも
⇒土地を探すというより、“暮らし方を整える”ことが、土地選びの本質かもしれません。
まとめ:地図より先に、自分の頭の中を“整地”しよう

「いい土地に家を建てたい」 その気持ちはすごくわかります。
僕もそうです。 でも広島市では、 地図と価格表だけを見ていても、納得いく土地にはなかなか出会えません。
夢を追いすぎて現実にがっかりする前に、
一度立ち止まって、こう問いかけてみてください。
「自分が心地よく暮らせる場所って、どんな場所なんだろう?」
その問いの先にこそ、 ほんとうの意味で“いい土地”が待っている気がします。
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