注文住宅でもない、分譲住宅でもない

もう一つの新しい選択

「分譲マンションに進行する2つの老い」への所感

広島市で中古住宅リノベーションを手掛ける「おりいえ」です。

分譲マンションの「2つの老い」、つまり建物の老朽化と住民の高齢化が、深刻な課題として浮き彫りになっています。これは単なる数字の問題ではなく、マンションという住空間そのものを揺るがす問題です。

そして、確実に訪れる未来の課題でもあります。 これは購読している日経アーキテクチュア(2024.9.26)の記事「築40年以上のマンションは10年で倍増 分譲マンションで『2つの老い』が進行」を読んで感じたことですが、このブログでは、僕の所感をもう少し詳しく述べていきます。お付き合いいただけると嬉しいです。

マンションの築年数と住民の世代

国土交通省のデータによると、築40年以上のマンションは2023年時点で約136.9万戸。これが10年後には約2倍の274.3万戸、20年後には約3.4倍の463.8万戸に達すると見込まれています。 加えて、築年数が古いマンションほど住民の年齢層が70歳以上に偏る傾向が見られます。

たとえば、1984年以前に建てられたマンションでは世帯主の55.9%が70歳以上であり、居住者の高齢化が建物の老朽化と並行して進行していることが明確です。(以上、日経アーキテクチュア2024.9.26より)

修繕の課題と管理不全

マンションの老朽化を防ぐためには、計画的な修繕工事が欠かせません。

しかし、高齢化が進むとともに修繕積立金の不足が深刻化しているようです。調査では、修繕積立金が不足している管理組合が36.6%に上り、前回調査(2018年度)よりも増加していることが示されました。

この状況では、大規模修繕や改修の実施が遅れ、結果としてマンション全体の劣化が進むリスクが高まります。

注意すべきマンションとは

立地が資産性を決めると思われている方は注意が必要です。立地が良くても、駅に近くても、それだけで安心とは限りません。

管理体制が脆弱であること、コミュニティの活性が低いこと、修繕計画が不十分であることも、「2つの老い」が進む原因となります。

管理費が安い、修繕積立金が安い、駐車場が無料などの条件だけで飛びつくのではなく、その背景にどのような事情があるのか、よく確認してから購入判断をしましょう。

まとめ

一時的な住まいや投資資産としての購入を考えている人は別ですが、一般的には、長期的な住み心地とコミュニティとしての快適性を求めて購入するはずです。

「2つの老い」に巻き込まれないためには、専有部分を単にリノベーションして自分らしい空間をつくり上げるだけでなく、マンションそのものの住環境全体をしっかりとらえることが大切です。

マンションは隣も上下階も、壁一枚隔てた先には隣人がいるのですから!

「おりいえ」では、不動産購入のサポートも応じます!ご質問やご相談はお気軽にお問合せ下さい!!

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