注文住宅でもない、分譲住宅でもない

もう一つの新しい選択

2025年公示地価発表:家の価格は今後どうなる?暮らしの質を高める視点

広島市で中古住宅リノベーションを手掛ける「おりいえ」です。

2025年の公示地価が発表されました。

日経新聞の記事には、「―前略―現在は地価も物価も伸びはほぼ同じ水準で、資産インフレの色が濃かったバブル期とは様相が異なる。」とあります。

一方で、「そろそろバブル崩壊では?」という声も聞こえてきます。

実際のところどうなのでしょう?

僕的には、広島においては、地価が大きく上がっているのは一部の地域に限られ、住宅地ではそれほど変化していないと考えています。

このブログで僕の所感を綴ってみます。お付き合いいただけると嬉しいです。

物価上昇と地価上昇の関係

土地価格とは別に、住宅の建設価格も上がっています。

しかし、これは住宅だけの話ではなく、他の生活用品と同じく、物価上昇による調整の影響を受けているだけともいえます。

加えて、国が定める建築基準も年々厳しくなり、それに伴って新築の建築費用も上昇しています。(来月から改正される建築基準法の影響もあります。)

これらの要因が、住宅を購入する際の資金を押し上げているのです。

家を購入するには大きな資金が必要なため、「高すぎる、そろそろ価格が下がるのでは?」と思う人もいるかもしれません。しかし、他のどんな製品との値上げと比較してみても、住宅価格が極端に上昇しているわけではないと思うのです。

住宅供給と住宅価格の今後の動向

インフレだからとはいえ、現実として「高いものは高い」ですよね。

なので、現在、多くの分譲住宅は売れ行きが鈍く、価格を下げている傾向にもあります。

しかし、これは市場全体の価格が下がっているのではなく「在庫処分」としての調整が行われているに過ぎません。(企業は売れなければ資金が回らないため。)

今後さらなる建設コストの上昇を考えると、在庫が減って調整が進めば、新規供給は間違いなく減少し、市場に出てくる物件の価格は上昇する可能性が高いです。

実際、現在値下げされている物件とは別に、新規供給の物件はすでに高い価格が提示されています。 この状況を見て、「まだ待ったほうがいい」と考えるのは必ずしも正しいとは限りません。現在の価格低下はあくまで調整段階であり、在庫が減れば、建設コストと地価の上昇に沿った価格が提示されるようになるはずです。

待つことで、将来的により高値で購入することになる可能性もあります。 インフレ時代では、「今買わない」という選択が、未来では「さらに高くなるから買えない」状態につながるリスクがあることを理解しておくべきです。

「暮らしの質を高める」視点が大切

僕たちが大切にしているのは、不動産を「資産価値の上昇を狙うもの」として捉えるのではなく、「暮らしの質を高める選択」として捉えるという視点です。

例えば、「自然を感じられる住環境を選ぶ」「家の中のデザインや素材にこだわる」 「家族との時間を大切にできる間取りを考える」こうした思考が、日々の生活の満足度を大きく左右すると信じています。単に「値上がりしそうだから」「将来的な資産価値が高いから」といった視点ではなく、自分にとって本当に価値のある住まいとは何か? を考えることが大切ではないでしょうか?

最後に

2025年の公示地価の発表を受けて、不動産市場をどう見るかは人それぞれです。

しかし僕たちは、少なくとも広島市周辺の住宅地においては極端なバブルではなく、むしろ「物価上昇による価格調整」の側面が大きいと考えています。

だからこそ、「損か得か」という視点ではなく、「暮らしの質を高める住まいを選ぶ」 という視点で考えてみてください。

この視点を忘れずに、自分らしい住まいを見つけてください。

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