同世代の人ばかりだから住みやすい!?
広島市で中古戸建住宅×リノベーションを提供している「おりいえ」です。
住みやすい街として「同世代の人が多い!」ことがポイントだといいます。ハウスメーカーの営業の頃は私もセールストークに使っていました。(汗)
多様性が求められる社会にあって真逆の方向性です。本当に正しいのなら、中古住宅を検討する人にとっては悩ましい問題です。そこで、読書で得た知識と私の経験から住みたいまちの条件に「同世代の人が多い!」は関係ないということを論破させていただきます。
人付き合いより居住環境!
人付き合いは居住環境の一つであることは否定しません。同世代が多く住んでいることが楽チンだという方もいるでしょう。
しかし、それより大事なのは、
①安心安全な街であること。
②美しく豊かであること。
③良好なコミュニティーがあること。
④良好な居住環境が維持されること。
です。
これらが損なわれるような街やマンションは空家が増え良好な住環境は維持されません。同世代だからこそギスギスした関係になるかもしれません。
ライフサイクルの別の段階の人間からの支持と容認を必要としている。
随分昔に読んだ本です。
この本の中にある行。忘れられない言葉です。以下抜粋
『人は同世代の人間から支持を必要とすると同時に、ライフサイクルの別の段階の人間からの支持と容認をも必要としている。しかし、とかく分離への要求が混合への要求を圧倒しがちである。今日の住居パターンは、タイプの違う世帯をお互いに分離する傾向にある。この世代分離の影響は深刻である。
本来、人生の各段階における正常な成長には、それぞれの段階で他の全ての世代や団体との接触が必要とされている。ライフサイクルのバランスに応じた住宅が手に入る近隣では、このような接触が現実の者になる。隣人とのかかわりのなかで、誰もが人生のあらゆる段階の人間と、通りすがりのふれあい以上の者を体験できるのである。・・・以下省略』
「同世代の人ばかり集まっているから住みやすい」というのは、新築住宅を売るためのセールストークかもですよ。
子供たちの声が聞こえてくるのは嬉しい
主に中古戸建住宅を提供している立場の私たちは、中古住宅の内覧時には積極的にご近所さんとお話するようにお勧めしています。
若い世代が入居してくることを喜んでくれているのは、それだけで理解できるものです。「おりいえ」のOB様は、同世代の方が多くいらしゃる場所を選ばれている方は少数です。実際そんなOB様にお聞きしても「皆さんに可愛がっていただいてます。」「家族のように接していただいています。」と暮らしを楽しんでいますよ。
街から子供の声がなくなるより聞こえてくるほうがいいに決まています。
広島市のいい団地は良好な居住環境が維持されています。
広島市のいい団地は、子育てするにもってこいの公園、学校の整備がなされていることも多いものです。そこに価値を見出している方々が、そんな団地に移り住んでいるから適度に若い方が移り住んでいます。
住みやすいから先輩方も建替えたりします。移り住む方も中古を買ってリノベしたり、壊して建替えたりと様々です。
相続も発生するでしょう。一定量の方は転出するし転入もしてきます。価値を見出せるいい団地は居住環境が維持されるから自然と資産価値も保てます。この循環がすべての街や団地にいきわたることが私たちの理想とする中古住宅流通のあるべき姿です。