注文住宅でもない、分譲住宅でもない

もう一つの新しい選択

この家を建てるために選ばれた場所
それが伝わる家の見分け方

広島市で中古住宅リノベーションを手掛ける「おりいえ」です。

僕視点ですが、多くの場合、家探しの入り口は立地です。駅から何分。街のイメージ。学区。買い物の便利さ。 もちろん大切です。現実として、無視できません。

ただ、僕はいつも思います。 立地が良いのに、なぜか心が動かない家がある。 逆に、立地の条件は完璧じゃないのに、妙に説得力がある家もある。 この差は、立地では説明できません。

僕はこれを、「場所性」だと考えています。 場所性は、その場所の空気や、静けさや、周りの家との距離、街路の感じ、陽の入り方みたいな、数字になりにくい要素の集合です。 そして面白いことに、その場所性は家の形に出ます。そんな視点でブログを進めていきます。お付き合いいただけると嬉しいです。

場所性は 家のデザインに現れる

いい家って、派手なデザインで語らないことが多いです。 むしろ、静かに、その場所に馴染んでいる。 その家の形を見たときに、こう感じる瞬間があります。

この家を建てるために、この場所が選ばれたんだな。 例えば、窓が向く方向。 例えば、庭の位置。 例えば、軒の出方や、玄関の構え方。 家の形は、施主や設計者の意思でもあり、土地からの問いへの答えでもあります。

この土地でどう気持ちよく暮らすか。 どこに視線を抜き、どこを閉じ、どこに居場所をつくるか。 そういう答えが、図面より先にデザインとして現れています。

見るポイントは3つ 「窓」「庭」「陽」

内覧のとき、場所性を掴むために見るポイントは3つです。

窓、庭、そして陽。

窓 どこへ向いていますか

窓は、景色を切り取るアイテムです。 それは暮らしの視線を決めます。 大きければ良いわけではありません。 どこへ向いているかが大切です。

隣家の壁を見ているのか。 空を見ているのか。 緑や抜けを借りているのか。

その窓のそばにいると、自然に深呼吸したくなるか。 まずはそこを感じてみてください。

庭 ただの空地じゃなく 居場所になっていますか

庭は、広さの問題ではありません。 居場所になっているかどうかです。

リビングから見える庭に、座れる気配があるか。 外に出たくなる動線があるか。 室内と庭が、気配でつながっているか。

庭がただの空地だと、家は内側だけの箱になります。 庭が居場所になると、家の暮らしは一気に広がります。

陽 どこに溜まりますか

陽は、家の温度だけじゃなく、気分もつくります。 内覧の時は、部屋の真ん中だけを見ないでください。 壁際や床に落ちる陽の溜まり方を見てほしいです。

この家には、自然に座りたくなる陽の場所があるか。 朝の陽が気持ちいい場所があるか。 午後の陽が落ち着く場所があるか。

陽の居場所がある家は、時間のリズムを持っています。 そのリズムが、暮らしの質になります。

なぜ僕たちは 場所性を最優先するのか

僕たちが中古住宅リノベをモデルハウスとして仕入れるとき、僕が一番怖いのは、家だけ整えて終わることです。 内装をきれいにして、設備を新しくして、間取りを整える。 それだけで売れる時代もありました。 でも今は、住む人の感覚が鋭くなっています。

整っているのに、何かが足りない。 その違和感は、だいたい場所性の読み違いから来ます。 逆に言えば、場所性さえ掴めていれば、完璧じゃない条件があっても、家はどうとでも再生できます。 眺めがいい。静か。庭に伸びしろがある。陽の居場所がある。 そういう家は、時間が味方してくれるんです。

このように中古住宅リノベは、家の中をリノベで整えることはできます。 でも、その土地の空気は変えられません。 だからこそ、場所性を最優先にしています。

内覧チェックリスト 場所性編

最後に、内覧で使えるチェックを置いておきます。 次の内覧では、これだけやってみてください。

・玄関前で一度立ち止まる ここで肩の力が抜けるか
・窓の前に立って 何が見えているか確認 抜けか、壁か、空か、緑か
・庭が居場所になりそうか 出たくなる動線があるか
・陽が溜まる場所を探す 床や壁際の陽を見つける
・帰り道に もう一度気持ちを確認 良さが残っているか、疲れが残っているか

場所性は、情報ではなく体感で掴むものです。  立地の良し悪しは、あとでいくらでも調べられます。 でも、この場所で暮らしたいと思えるかは、現地でしか分かりません。参考になれば幸いです。

Model house