注文住宅でもない、分譲住宅でもない

もう一つの新しい選択

日当たり良=いい家って、ほんとうにそうかな。

広島市で中古住宅リノベーションを手掛ける「おりいえ」です。

不動産広告なんかで必ずといっていいほど目にする「日当たり良好」という言葉。

僕は、実際に多くの家を見てきて思うのは── 「日が当たる=いい家」とは限らないということです。

南向きにこだわるあまり、せっかくの“抜け”や“眺め”を つぶしてしまっている間取りをよく見ます。 「なにしてるの? 建築士、現地踏んでないよね…?」 と思わずつぶやきたくなるようなケースも。 ほんとうにもったいないと思います。

北側だって、ちゃんと明るい

北側というだけで暗いと思われがちですが、 抜けさえあれば、北の光はやわらかくて明るいことをご存じですか?

しかも、時間によって光の表情が大きく変わらず、 一日を通して穏やかに室内を照らしてくれます。 昔から「書斎や子供部屋は北側がいい」と言われていたのは、 この安定した光の特性を知っていたから。 本を読んだり、デスクワークをしたり── 北側の光のほうが落ち着くと感じる人も多いのです。

それに、今の家は昔ほど寒くありません。 断熱性能の向上で、北側でも快適に暮らせる時代になっています。(リノベでも)

光の「量」ではなく「質」で選ぶ

部屋はたくさん光が入ることだけが、心地よさではありません。 まぶしさを避け、やわらかい陰影を感じられる空間こそ、 落ち着いて暮らせる家だと思います。

大切なのは、どんな光が入るか。 そして、その光の中でどんな時間を過ごすか。

「光の量」ではなく、「光の質」で住まいを考える。 それが、暮らしをデザインするということだと思います。

リノベーションで“光の方向”を変えられる

たとえ北向きの家でも、間取りや窓の配置次第で 光の入り方を整えることはできます。 反対に、南向きでもカーテンを閉めっぱなしなら意味がありません。

そんな間取の家なら北側に居心地のいい部屋を移すだけで、家の印象は大きく変わります。

リノベーションの醍醐味は、 方位よりも**「暮らしの方向」**をデザインできること。 ロケーションが良く、抜けのある物件なら、 “北向きの家”は、むしろ大化けする可能性もあります。

「日当たり良=いい家」から自由に

“日当たり良好”という言葉は、たしかに安心感をくれるのかもしれません。 でも、その安心感に縛られると、 あなたらしい暮らしの形を見逃してし舞うのも事実です。

北側でも、抜けがあれば明るい。 光のやさしさで選ぶ家こそ、 長く心地よく暮らせる住まいだと考えています。ご一考ください。

Model house