注文住宅でもない、分譲住宅でもない

もう一つの新しい選択

「日本の家は30年で壊れる」は本当?

広島市で中古住宅リノベーションを手掛ける「おりいえ」です。

「日本の住宅は30年で壊れる」──そんな話、聞いたことありませんか?

確かに、過去の統計では「築30年前後」で解体される住宅が多かったことは事実です。だけど、それって家そのものの寿命ではありません。

このブログでは、「中古住宅には興味があるけど買うのが不安」という方に向けて、「日本の住宅は30年で寿命を迎える」という誤解を暴き、実際はもっと長く住める家がたくさんあることをお伝えします。お付き合いください!

日本の家の寿命「22・26・30年説」の本当!

日本の家の寿命については、築30年だけでなくその他にも色々あります。
ここでは、よく耳にする「日本の住宅寿命は短い」という根拠について暴きます。だいたい次のような数字に基づいています。

22年説:これは税務上の法定耐用年数。減価償却のルール上の数字で、物理的な寿命とは無関係です。

26年説:除却(解体)された住宅の築年数平均。すでに壊された住宅だけを対象としており、「今も残っている住宅」は含まれていません。(平成8年の建設白書に記載されています。)

30年説:住宅ストック総数を年間新築数で割った「住宅サイクル年数」。これも“壊されるペース”であって、“住宅が使える年数”ではありません。

これらはいずれも「寿命」ではなく、「除却された家の統計」にすぎません。

実際の住宅寿命はもっと長い

▶ 国土交通省の調査(平成30年)

戸建住宅の平均存続年数(物理的寿命)は、約40.5年。

これは「除却された住宅」ではなく、「建てられてからどれだけ存続しているか」を基にした実績値です。 資料出所:社会資本整備審議会 住宅宅地分科会・建築分科会 既存住宅流通市場活性化のための優良な住宅ストックの形成 及び消費者保護の充実に関する小委員会 とりまとめ(案) 参考資料

▶ 新耐震以降の住宅ではさらに長寿命

1981年(昭和56年)以降の新耐震基準下で建てられた住宅では、 平均存続年数は58年を超えるという推計もあります。

小松幸夫教授の研究:平均寿命は65年

さらに、小松幸夫教授(早稲田大学)の研究によれば、住宅の寿命は平均65年。

これは“半数が現存している年数”をもとに計算されたもので、 人間の平均寿命と同じように、寿命を「統計的に生き残る期間」で考える。 という発想です。

※なお、この研究は2011年時点のものであり、以後の技術進化や維持管理の意識向上を考慮すれば、現在の住宅寿命はさらに延びている可能性があります。実際、マンションでは平均寿命が68〜70年とするデータも登場しており、木造住宅においても“長く使う”前提の設計や制度が広がりつつあります。これは“半数が現存している年数”をもとに計算されたもので、 僕自身もこの考え方がいちばん本質を突いていると思っています。

家も人も、「壊された年齢=寿命」ではないからです。

たとえば、実際の人の寿命も「60歳の女性が90歳まで生きる確率」は約40%以上あるとも言われています。健康であれば、寿命はただの平均値以上に延びるということ。

住宅も同じで、きちんと維持されていれば生き続けます。 つまり、「壊された住宅」だけではなく、「今も生きて使われている住宅」も含めて考えれば、日本の家はもっと長く住み続けられるということになります。

資料出所:【指針参考資料1】 住宅に関する価格評価手法

では、なぜ30年前後で壊されているのか?

昭和の住宅が寿命を迎えた

平成元年~20年頃に取り壊された住宅の多くは、高度成長期に大量供給された家です。

当時の住宅は構造的・設備的に「長寿命」を前提としていないものもありました。 ただし、すべてが粗悪だったわけではありません。 中には良質な家もあったはずですが、それでもなお「古いから壊す」という 新築信仰の強さによって、そうした家までもが除却の対象になっていた時代でした。

実際、平成15年や20年前後の国交省調査では、除却住宅の平均築年数が30年を下回っていました。

つまり、「壊れるから壊された」のではなく、「古いから壊された」という背景が、数字の上にもはっきりと表れています。

社会制度の影響

相続や税制、住宅ローン控除の条件などが、「古い家を残すより、壊して建て直す」方向へと選択を誘導していた背景があります。

(随分是正されてきましたが...やっとって感じです。)

中古住宅への偏見

いまでもきっと日本は「新築が一番」という意識が強く、中古住宅は「価値がない」と見なされがちです。

その結果、まだ住める家も“古い”という理由だけで壊されています。。

これからの家は、“住み継がれる”時代へ

最近では

・インスペクション(住宅診断)

・既存住宅売買瑕疵保険

・リノベーション技術の向上

などによって、中古住宅を安心して住み継ぐ仕組みが整ってきています。(知らない人が多いけど。。。)

「古い=ダメ」ではなく、

「古い=味わい・かっこよさ」と捉える人も増えてきているように感じます。

まとめ|壊される理由と壊れる理由は違う

日本の住宅の寿命が“短い”とされてきたのは、 家の性能の問題ではなく、社会の選択の結果だと思っています。

「まだ使える家を壊す」から 「手を入れて住み継ぐ」へ。 僕たちは、そんな価値観の転換こそが、これからの住宅のあり方だと信じています。

ありがたいことに、まだまだ、ここで示したような状況です。中古住宅に目を向ければ良質な家が価値「0円」で取得できます。こんなラッキーはもうそう長くはないのかもしれません!

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