注文住宅でもない、分譲住宅でもない

もう一つの新しい選択

シリコンバレー不動産流通視察の旅
NO4

新築が当たり前の日本との大きな違い!

日本では言わずともしれた新築中心の不動産マーケットです。中古住宅取引の多くは築30年程度までのものでしょう。見た目も比較的綺麗な住宅でなければ売れにくいものです。

この建物、ご覧いただいた画像は比較的綺麗な部分です。日本では先ず売れませんよね。

しかも、この建物の新築年月日は1891年ですよ!な、なんと築後127年です。

この建物は由緒ある方がお住まいだったということです。だからこの建物が不動産流通にのっかっているといことでもなく、普通に築100年の建物が流通しています。最終日に観光でお世話になったガイドさんがこんな話をされていました。まさに、消費者の声です。

「私の友達が家を買ったっていうから築何年?って聞いてみると築90年だって言うんですね。ま~なんて古いのを買ったんだろうと思って聞いてたんだけど、良く考えてみれば我が家も築60年の建物を買ってもう30年住んでいるから築90年なんだ!って気づいたんです。言いたいのは、それだけ古いからダメなんだという評価はありませんよ!

このように、米国と日本の決定的な違いは築年数に関係なく取引される中古市場です。

実はこの建物、問題ないといことではありません。「基本、手を加えればどうにでもなる!」こんな発想の僕でも、間違いなく解体した後の流通を計画するはずです。次に紹介する画像をみれば納得されるはずです。

日本では歴史的建物を除けば考えられないと思います。アメリカでも例は少ないのかもしれませんが、サポートして下さった不動産エージェントの話では特別でも無いような気がしました。その理由が、新築を建てるにあたっての許認可の難しさです。残念ながら、この部分はあまり吸収できなかったのです。
新築?注文住宅?

日本では車を走らせれば新築現場にあたります。シリコンバレーでも新築が無いということではありませんが、記憶にある限り商業建築を除いて新築現場を見かけたのは1現場(10棟程度の建売のようでした。)のみです。その理由の一つがよく言われることですが、家は消費財では無い。耐久財なんだ。と、いうことが根底にあるのでしょう。耐久財としてリフォームやDIYによって価値を積み重ねる。きっと新築住宅も中古住宅と比較検討するうえで選択の一つなのです。

間違いなく新築だからいい家なんてことはありません。代々のオーナーが価値を高めてくれた家の方が、安心のレベルも設えている設備機器もインテリアも上質だというのは日本でも時としてあるものです。

そして、何よりも新築住宅を建てるにあたっての時間と労力です。許可を取得するには半年や1年は平気で待たされるようなお話でした。そんな状況の中、土地を買って自分好みの注文住宅という選択は余裕ある現金を持っている方に限られるようなお話でした。(金利も日本のように低くないですしね)

Model house