中古住宅購入時にホームインスペクション(住宅診断)は必要無いか?
お客様よりホームインスペクション(住宅診断)のお問い合わせをいただく際よく聞くのは、「不動産屋さんにホームインスペクション(住宅診断)なんて意味ないですよ!」と言われました。さらに聞くと、その言葉の調子は強く「させない。必要ない。」そんな感じです。
では、本当にホームインスペクションは意味ないのでしょうか。ここでは、「不動産業者の立場から。」「売主の立場から。」「買主の立場から」本当に意味がないのか。何故意味がないというのか。検証してみます。
※不動産屋さん、売主さん、買主さんの順番にしたのは何故インスペクションを断られるかを知って欲しいからです。面倒な方は買主さんの立場をご覧ください。
不動産業者の立場からホームインスペクションが必要無い理由(デメリット)
契約がつぶれる
他で売れてしまう。
ホームインスペクション(住宅診断)は面倒
不動産業者の立場でホームインスペクション(住宅診断)が必要な理由。(メリット)
購入者の不安が解消される
中古住宅を購入してそのまま住めると思っている方は少数です。特にホームインスペクションをご検討されている方はリフォームを計画されている方も多く、最終的な出費が想定内におさまりそうか第三者的視点で判断してほしいという方が多いように感じます。
ホームインスペクションにより建物の状態を知ることにより、購入者の不安が解消されます。
早期販売につながる
リフォームされたばかりの中古住宅でも、築浅の中古住宅でも、中古住宅は不安だという方は多いものです。ホームインスペクションを利用することで購入者の不安解消につながります。
より早く適正価格で売却するためにもホームインスペクションをご活用ください。
売主の立場からホームインスペクション(住宅診断)が必要無い理由(デメリット)
掃除やモノの移動が面倒
家のあらさがしをされそうで嫌。
値引きの材料にされそう。
ホームインスペクションにより、雨漏れが発見された、蟻害が発見された、など、ご自身が気付いてないことが発見されることもあります。その結果、値引きされそう。このように考えるとプロによる診断は躊躇してしまうかもしれません。
では、売り出し価格に建物の価値がどれほど評価されていますか?ボロボロの家も綺麗にメンテし続けた家も、築30年もすれば建物価値はないのが中古住宅の相場です。
売主の立場でホームインスペクション(住宅診断)の必要な理由(メリット)
家の価値0円で満足ですか?
新築時3000万円の家も中古住宅として売り出す査定価格はため息が出てしまうほどです。しかも築30年もすれば家の価値は0円は当たり前。解体費用さえも値引かれます。この理由の一つが「中古住宅は不安だから」です。
築30年でも40年でも健全な建物は健全です。基礎も屋根も補修することで利用できます。むしろ、新築でも怖さの残る建物も存在します。
健全かどうかなんて素人の買主さんには分からない。だから0円??。。。そんな理由で満足できますか?古くても価値を認める方はいらしゃいます。価値を可視化すればいいのです。
売主だからこそ積極的にホームインスペクション(住宅診断)を利用すべきです。
家を安心して売却できる。
雨漏れ、白アリ、傾き、水漏れ、などなど。売却後に買主からクレームが入らないように現況有姿で契約不適合責任を免責として安く売る。例えリフォームしたばかりでも。。。真面目な売主さんであればあるほどこのように考えるようです。
家の状態にによってはホームインスペクション(住宅診断)を利用することで、安心に加え万が一に備えた瑕疵保険に加入できます。瑕疵保険に加入できれば買主も随分安心できます。そうなれば価格も「0円」なんてことありますかね。。。
家が残る。思い出が残る。
母校がが廃校した時、自分が暮らしたアパートや通ったお店がなくなった時、自分の記憶の一部が消えるようで寂しくなります。
同じようにご自身が住み続けた家が壊されるのは寂しくないですか?リフォームされ新しい方が住み続けてくれることは嬉しいはず。。。街の風景にも優しいのではないでしょうか。
買主の立場からホームインスペクション(住宅診断)が必要無い理由(デメリット)
不動産屋・売主から嫌われる
不動産屋にも売主にもメリットが多いホームインスペクション(住宅診断)も、まだまだ不動産市場ではポジティブに捉えられていません。デメリットの部分を感じている方からは、ホームインスペクション(住宅診断)なんて「意味ないですよ!」と返ってくるのでしょう。
しかし、ホームインスペクションを断るのは全ての不動産業者ではありません。ホームインスペクションを不動産業者から断られたら不動産業者を変えましょう。
別途ホームインスペクション料金が必要
普通に家を買う場合に必要のないホームインスペクション料金が必要になります。多くは5万円~10万円程度です。ちなみに欧米では普通に家を買う場合の必要経費です。
スケジュール調整が必要。時間が必要。
お金も時間もかかるのだから何でもかんでもホームインスペクションするなんてことは非効率です。内覧して検討しようと思えた物件をホームインスペクション(住宅診断)します。
売主が入居中の場合は売主のスケジュールにあわせなければなりません。空室の場合でも売主の同意は必要です。不動産屋とのスケジュール調整も必要です。売主、不動産屋の協力なくして調査はできません。
また、ホームインスペクション(住宅診断)結果による検討時間も必要になります。
買主の立場でホームインスペクション(住宅診断)が必要な理由(メリット)
家の状態を知ることが出来る。
間取りや見た目の判断はできても、
●あと何年このまま住めるか?
●思ったようにリフォームするにはどのくらいの費用が掛かるか?
ホームインスペクションを利用すれば買主の立場で家の状態を可視化することが出来ます。
家を購入する資金計画が明確になる
中古住宅を購入するお客様の多くはなんらかのかたちでリフォームされています。
雨漏れがあったら、使えると思っていたキッチン等の設備が寿命だとしたら、資金計画に狂いが生じます。 ホームインスペクションを利用しこれら劣化状況を把握したうえで資金計画しましょう。
中古住宅という宝物が見つかる
ボロボロの家を買いたいと思う人はプロしかいません。そんなプロも多くは技術者であり、自分が住む家を見つけるくらいです。そう!中古住宅は宝物でいっぱいです。
「おりいえ」では、こんな物件をお客様へ積極的にお勧めしています。
ホームインスペクション(住宅診断)は必要無いかについて「まとめ」
ホームインスペクションは中古住宅購入者にはメリットしかありません。建物価値のないボロボロの家が5万円~10万円というお金で宝物かどうかを見極めれるわけです。費用対効果滅茶苦茶高くないですか!
ラッキーなことに成熟していない日本の不動産市場は、築30年もすれば家の価値0円。場合によっては建物解体費用を差し引かれるほどの価値で取引されるわけです。なぜ不動産市場が成熟してないかといえばホームインスペクションが普及していないからです。
家の状態を目利きできるプレイヤーがいないから宝物が価値なく取引されています。
ここまでお読みいただきありがとうございます。本当に長くなりました。
最後に!
中古住宅購入にはホームインスペクション(住宅診断)
お忘れなく!